「お金を稼ぐのは悪いことだ!」
日本に生まれて日本に育った者なら誰でも一度は聞いたことがあるでしょう。
多くの日本人が持っている価値観である「金儲け=悪」「金にこだわるのは汚いこと」はなぜ、悪いイメージとして広がっていたのか?
生活のために欠かせないお金なのに稼ぐことを考えるのが卑しいのか?
その意味をよく理解しないと自己成長に繋がらないし、経済的な悩みが解消できません。
理解するためには「お金儲け」に関する日本歴史的背景から見える文化を説明していきたいと思います。
江戸時代を作って貧乏は悪いことではないとわかりやすく美徳にした風潮
江戸幕府は1603年、徳川家康が東京と呼ばれる前の江戸を本拠として武家政権を作った封建社会です。
なぜ、江戸幕府なのかというと裏切られるのが怖くて「そこそこ貧乏」という価値観を植え付けたからです。
価値観を植え付けようとしたきっかけは1582年に起きた本能寺の変で明智光秀に裏切られたことです。
京都にある本能寺にいた織田信長が家臣だった明智光秀に襲われて倒れたと知らせを聞いた徳川家康は大阪の堺から愛知県東部の旧名である三河へ逃げました。
逃げてる間に明智光秀に裏切られた怒りと自分も殺されるかもしれない不安と両方混じりながら逃げたあとのことを考えていました。
政権を作ったとしてもどうしたら裏切られずにすむのか?忠義を尽くし従順に最後までついてきてくれるのか?逃げながら考えた結果、国をそこそこ貧乏な状態にするという結論を出しました。
国民がお金を持つと悪いことが起こるから財力がある人に権力を取り返してくるかもしれないと考えて幕府以外にはお金を持たせないようにして国家全体をコントロールしました。
ただ、食えないほどお金を持たせない状態にしたら暴動が起きてしまうからプライドだけで生きていける高い身分である武士と食うのに困らない程度のお金を持たせることを与えました。
その結果、国民は貧しかったとしても節約しながらつつましく生活するのは素晴らしいことだと価値観を植え付けることを成功しました。
江戸時代の基本的身分だった格差社会である士農工商は序列でいうと武士>農民、職人、商人というイメージを持たされましたが、その中で商人が一番輝いていました。
そのせいでいっぱい稼いで大金を持った商人は強欲で汚れたお金にまみれた身分だと忌み嫌われたそうです。
そこそこ貧乏で幕府側と国民側の間で絶妙なバランスをとって維持できたせいで「お金を稼ぐ人=悪い人」という価値観を植え付けました。
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日本人は戦争のために貯金しろ!と価値観を変えた例がプロパガンダ
日中戦争から太平洋戦争へ突入する昭和10年代のときに政府がプロパガンダをしていたものがあります。
それは「戦争に勝つために国民はせっせと貯金せよ」というプロパガンダです。
このプロパガンダのせいで貯金しない人は非国民だ!と白目にされるようになって非国民というレッテルを貼られることを恐れて多くの国民は手持ちの現金を銀行に貯金しました。
なぜ、そうなったのかというと日中戦争に続き太平洋戦争まで突入して戦争が長引きしたせいで戦争するために必要な戦費調達がうまくいかなくなったからです。
戦費不足を補うために1938年、政府は「国民貯蓄奨励局」を設立して貯蓄をやるように勧める宣伝活動をしました。
貯蓄しないのは悪いことだと思い込ませるようにして国民を貯金させて集めたお金を軍人の給料や武器など資金調達にしました。
しかし、まだまだ足りなくて3年後の1941年、政府は「国民貯蓄組合法」に追加して全国民に貯金を強制させました。
それでも戦争は負けに終わって国債が紙くずになって破綻する悲惨な結果になりましたが、戦後の復興のために郵便局が貯金という同じ手法で郵便局ネットワークで全国まで広がってお金をかき集めて公共事業に使いました。
そのおかげで焼け野原だった日本はインフラ整備が進んで産業も再開して復興を成り遂げました。
その功績で戦時下から現在まで貯金し続けた国民はお金に銀行に預けるものだと習慣が染み込みました。
昔のように貯金しない人は非国民レッテル貼りをされたり貯金を強制されることはないですが、長年染み続いた習慣で貯金するのは素晴らしいことだと美徳になりました。
お金ってそんなに大事?中立主義的な道具であって欠かせないもの
日本歴史的背景から見える文化を説明した江戸時代の「お金を稼ぐ人=悪い人」と戦時下の「貯金をする人=善良な人」の2つの価値観でお金を稼ぐ人は悪いと思ってしまうのかを理解したと思います。
お金儲けにこだわる人は卑しくて悪いことだと思うこと自体は否定するつもりはありません、実際に悪いことをやってる人がいるからそう思うのは無理もありません。
しかし、お金儲け=悪いことだと固執するのはやめたほうがいいです、なぜならお金儲けに対する知識不足がほとんどだからです。
お金があれば、趣味のために使えるし、暮らしに欠かせないものを買えたり、挑戦してみたいビジネスを始めることができる便利なものです。
お金という便利なものがあるから世の中の悩みがほとんど解決できます。
なのにお金儲けを一方的に否定するのは視野が狭いなと思います。
お金儲けをする人にいい人と悪い人がいるだけでお金自体は善悪のそのものがありません、中立の立場にあります。
お金は道具と同じものであって使い手次第で素晴らしく見える人がいれば、卑しく見える人もいます。
お金は人間のように意思を持っていないただの物なのでどんな時でも何があっても絶対的に中立であるのは変わりません。
要は使い方の問題です。
収入口が1つで会社だけ勤めるだけでは経済的に安定するのは難しい時代になってるので今後の経済的な余裕を持ちたいならお金儲けにこだわるのは悪いことだという考えを捨てましょう。
日本の風潮に流されずに自分で価値観を変えて個人の力で稼ぐものを見つけていきましょう。
以上ですが、お金儲けに対する価値観を変えて経済的なゆとりを作るために自分で仕事を作ってみましょう!
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