性的指向が異性しか向かない人が9割以上いる世界にほんの一部しかいないLGBTにとっては自分の居場所が見つかりにくい環境です。
LGBTの人口は1割以下だから理解されるのは難しいし、異常者としてイジメにあいやすいから一般の性的指向を持たない人にとっては生きづらい世界だと思います。
なぜ、異性愛者が9割以上いるのか?と言ったら「遺伝子を残したい」という本能を持っているからですよね。
その本能があるから同性同士では子作りが出来ないってことは分かっているので性的指向が同性に向きません。
なので、一般では同性に向かないから同性愛を嫌うのは当然の結果だと思っています。
嫌うから質が悪い感情「差別」という感情がイジメに繋がりやすいです。
調査結果から見るLGBTへのいじめの実態
LGBT当事者が学校と会社で受けた差別について2つのデータを見てみました。
LGBT当事者が学校で受けた差別
まず、学校のほうは宝塚大学看護学部の教授が調査したLGBT当事者の意識調査についてのデータを見てみました。
※ここから先はLGBT当事者の意識調査から引用しています。
学校生活(小・中・高校)における「いじめ」は全体の約6割が経験している。
10代から50代以上までの年代別で40代が一番多くて、63.1%という数値が出ている。
いじめの内容は、「ホモ・おかま・おとこおんな」などの言葉によるいじめ被害率は 63.8%、服を脱がされるいじめ被害率は 18.3%でした。
学校教育では全体の約7割が「一切習っていない」そうです。
学校教育で同性愛についての知識を習ったかどうか聞いたところ、7 割近くが「一切習っていない」と回答。
年代が高くなるにつれて「一切習っていない」の回答率が高くなる傾向にありました。
他の年代に比較すると10代は「一切習っていない」が48.2%と低かった一方で、「異常なものとして習った」「否定的な情報を得た」が合わせて25.9%という結果でした。
先生がいじめの解決に役立ったか?質問してみると
「役立った」は全体の13.6%でした。
年代別にみると10代が 19.9%、年代を追うごとに減って50歳以上だと6.8%に「先生がいじめの解決に役に立った」と回答したのは全体の13.6%。
年代別では10代が19.9%で、年代が高くなるごとに減っていき、50歳以上では 6.8%という結果でした。
職場と学校の環境では…
7割以上が「差別的な発言」を経験
LGBTフレンドリーと感じるのは約3割
「差別的発言あり」は地域差はあまりなく各地で高い傾向あり
職場や学校で差別的な発言を経験した人は7割以上で、地域差はあまりなくいずれの地域も高いことがわかりました。
一方で、職場や学校がLGBTフレンドリーと感じている人は約3割にとどまりました。
LGBT当事者が職場で受けた差別
次、職場のほうはNijiiro Diversityと国際基督教大学ジェンダー研究センターの共同で研究調査をしたデータを見てみました。
・(c) Nijiiro Diversity, Center for Gender Studies at ICU 2016
※ここから先は
(c) Nijiiro Diversity, Center for Gender Studies at ICU 2016から引用しています。
まず、職業と雇用形態はこうなっています。
職業の方はクラブから見て…
- 管理職と役員はLGBTが3~4%に対して非当事者は12%
- 専門職と技術職は非当事者とTの差は約3%(25~28%)しかなかったが、LGBその他は35%
- ブルーカラーはLGBその他と非当事者の差は約1%(4~5%)しかなかったが、Tは11%
になっています。
※ブルーカラーとは製造業・建設業・鉱業・農業など肉体労働が多い工員が着る作業服の色です。
雇用形態のほうは、
- LGBその他と非当事者の正社員と派遣は数値が近いが、アルバイトのほうは非当事者の1.5倍くらいの差があった。
- Tは非当事者の正社員と比べて20%くらい少なめで、アルバイトは非当事者より14%くらい多いので雇用が安定にくい結果になった。
になっています。
年収はシスB女性・FtM・MtX・その他女性が40%に近い数値で200万円以下の年収になっています。
求職時の困難はクラブの数値から見て、LGBその他のほうは半分近くが困難になっていますが、Tは7割くらいが困難になっています。
差別的言動はクラブから見て言動度が、
当事者:多(58%)=非当事者:少(57%)
当事者:中・なし(11%・3%)=非当事者:中・なし(12%・2%)
当事者:少(28%)=非当事者:多(29%)
になっています。
差別的言動の具体例はこうなっています。
カミングアウトと相談先の関係はこうなっています。
職場に性的マイノリティがどれくらいいるのか?回答結果はこうなっています。
2016年分のアライ(理解者)有無のクラブの中にどれくらいカミングアウトしているのか?
そのデータがないので2015年分のデータから見て参考すればと思っています。
※LGBT当事者の意識調査(2015年)から引用しています。
色んなデータを見てみて思ったことは、理解者がまだまだ少ないから正社員として働くのが難しいから雇用形態が安定しないし、年収が上がるのが難しい人が割といるのかな。でした。
LGBTを差別するロシアの同性愛宣伝禁止法
ロシアは他の国と比べてLGBT(正確に言うと同性愛)に対する偏見が強いです。
伝統的家族価値の否定を宣伝する情報から子供を守ることを目的とした『健康と発達を害する情報からの子供の保護に関する連邦法』5条及びロシア連邦の個々の法律行為の改定に関する連邦法は、レイティングにかかわる既存の連邦法を改定するロシア連邦の法律
この改定により「非伝統的な性的関係」を未成年に宣伝することが禁じられた。
最終的な法案ができるまでの議論から、「非伝統的な性的関係」に「同性間の性的関係(=同性愛)」が含まれることが確定しており、日本のメディアは同性愛宣伝禁止法などと呼称を用いて報道している。
渋谷区で同性パートナーシップ証明を認めているので可能性は低いですが、もし日本が同性愛宣伝禁止法を作ったらこれから紹介する動画のように差別されたり暴力を受けてしまうでしょう。
日本特有の同調圧力と禁止法を融合してしまったら…。
そう考えると場合によってはロシアより恐ろしいことが起こすかもしれないとゾッとします。
LGBTの受難 同性愛者を取り巻くロシア社会の実情(1)
LGBTの受難 同性愛者を取り巻くロシア社会の実情(2)
LGBTの受難 同性愛者を取り巻くロシア社会の実情(3)
LGBTの受難 同性愛者を取り巻くロシア社会の実情(4)
LGBTの受難 同性愛者を取り巻くロシア社会の実情(5)最終回
性的少数者達(LGBT)を認めない人へ
認めない人はまず、シンプルに「気持ち悪い」と思っている人が多いでしょう。
その気持ちは素直で不自然に思う感情ですので否定しません。
不自然に思う感情を矯正しようとか押し付けはしたくないと思っています。
無理に理解する必要はないですし、差別扱いをしない程度であればそれでいいです。
理解が出来なくていいですが、LGBTに対する知識を持ってほしいです。
知識があれば、人間関係の距離感が見えてくるので覚えておくと損ではないと思います。
さて、普通はありえない話ですが、異性愛者が性的少数者扱いになる世界をイメージした動画があります。
もし、逆の立場になるとどうなるのか?
それを分かりやすく作られていますので理解しやすいと思います。
“Love is All You Need?”もし同性愛が「普通」だったら – 日本語字幕
この動画を見て、逆の立場になって差別されるってどんなに恐ろしいか?
学校、職場、フェイスブックやツイッターなどSNSは、人が集まりやすいところですよね?
集団相手に差別されるのって想像以上怖いんです。
精神的に傷つくんですよ?
一度、考えてみてほしいです。
個人的に思う理想のLGBTの世界
LGBTの居場所について色々話しましたが、理解するまで時間がかかると思います。
2018年11月、LGBT差別解消法案を提出する話が出てきましたが、賛成か?反対か?と言えば、賛成に近いです。
理由は生活や仕事に支障がないことを感情論で「支障がある」と決めつけられる。
仕事の話なら能力や実力があるのに同性愛者という理由で否定されて支障をきたすほど被害を受けることがあったら侮辱罪として訴えることができる。だったらあっていいかなと思います。
ただし、一部のLGBTが暴走して差別に対して意識過剰になり、「差別だー!」と頭ごなしに禁止する人が出てこないように対策する必要があります。
差別のどころか逆差別になる可能性があるので・・・。
下手すると同性愛者が同性愛者に差別された!みたいな話が出てきます。
誰でも普通に暮らしていける環境を作れるならLGBT差別解消法案はあっていいです。
最終的にあるといいなと思うことは、
- 性的少数者がわざわざカミングアウトする必要がないほど安心して暮らしていける。
- アンタは変だね!と気軽で話せるほど、お互いに理解できる関係が作れる。
ですね。
これから未来、LGBTはどう転がるかは分かりませんが、上手く噛み合った関係になるといいなと思っています。
Error